フィリピンハーフ「アメリカだと白人ハーフの方がアジア人よりも差別されやすい、私は差別されたことがない」

https://news.yahoo.co.jp/articles/002d2c74244b5f5d4f5ed3683942d09f7ea7d158

「他国の血が混じっている」と言われただけで名誉毀損として裁判になった事例は、少なくとも日本国内ではほとんど（あるいは全く）報告されていません。

①なぜ裁判にならないのか？
「○○人の血が混じっている」「ハーフかもしれない」という発言は、名誉毀損としては以下の点で成立しづらいです：

社会的評価を下げる内容と認定されにくい
→ 「出自」が必ずしもネガティブとは限らないからです。たとえば「ドイツの血が混じっている」と言っても、誰も名誉毀損とは感じないでしょう。

事実無根でも、侮辱性が無ければ違法性が問われにくい
→ 特定の民族に対する偏見を含まないかぎり、「○○人だ」と言っただけでは成立しない。

②関連しそうな判例はある？

類似ケースとして以下のような裁判はあります：
「在日認定」や「反日活動家」認定による名誉毀損（成立例あり）
「在日韓国人である」と虚偽の情報を流布し、それが侮辱的文脈だった場合、名誉毀損が認定された例がいくつかあります。
ただし、これは「特定の政治的・社会的背景で悪意を持って使われた」場合です。

つまり：
「○○人だから悪い」「反日だ」「信用できない」といった明確な価値判断や蔑視が伴う必要があります。

では「フィリピンの血が混じっている」はどうか？
これだけで「社会的評価を下げる」と認められるには、法的には 「フィリピン人であること＝恥ずべきこと」 という価値観が共有されている必要があります。

現代日本の司法では、そんな価値観は 到底認められません。むしろ差別的思想として否定されます。

結論
「他国の血が混じっている」という発言が それだけで名誉毀損として訴えられた前例はほぼありません。
仮に訴訟になっても、実害や社会的評価の低下を証明するのは非常に困難です。
このような発言を問題視する方が、むしろ差別的な観念に基づいている可能性があります。