フェミニスト「性同一性障害の男を絶対に女性と認めるわけにはいかない。性別適合手術を受けてもトランス女性は生物学的にはしょせん男」

性転換後に強制除隊、後に死を選んだ韓国トランスジェンダーの悲劇【崔さんの眼】：時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210502sai0001

この事件は、韓国社会で大きく取り上げられ、論争を呼んだ。

注目しておきたいのは、トランスジェンダーが女性軍人として服務することに対して、軍内部の女性からも、心配や反対の声が上がっていたというものだ。つまり、自ら選択して女性となったトランスジェンダーを、女性として認めない女性たちがいたということだ。

実は、これと同じような事例は、大学入試においても発生している。性転換手術を受け、男性から女性となったトランスジェンダーが２０年１月に、ソウルのある「女子大学」に合格したが、入学を諦めざるを得なかったという事例だ。

残念なのは、彼女が入学を諦めた理由である。学校ではなく、女性たち、つまり在校生らからの激しい反発があったのだ。

学内のインターネット掲示板やチャットルームで、賛否を問う在校生らによる討論が繰り広げられたのだが、その中で「昨年まで男性だった人」「（トランスジェンダーの入学は）女性教育に対する侮辱」「法的には女性だったとしても、生物学的には女性ではない」といった、明らかな差別、嫌悪感をにじませるような表現が相次いだのだ。

残酷なことに、これらの意見は、この大学に合格したトランスジェンダーである入学予定者の目にも全て見えていた。

トランスジェンダーの入学予定者は、マスコミの取材に「（在校生たちの言葉に）心がボロボロになった」と胸の内を明かし、入学を放棄した。入学したところで、在校生たちの反発や排他的な態度にさらされては、正常な学校生活を送ることができなかっただろう。

しかし、話はこれにとどまらない。この女子大学はフェミニズム性向が強いことでも有名な学校なのだが、この大学だけでなく、ソウル地域の六つの女子大学のフェミニズム団体がトランスジェンダーの入学を拒否する集団声名まで発表したのだ。

韓国の多くの女性団体は、男性を強い立場にある者、一方で女性を弱者、被害者と認識し、女性の権利のために闘ってきた。

一般的に、ＬＧＢＴに対する拒否反応は、保守的な人たちに強く見られ、特に韓国では儒教思想の影響により、家父長制が文化として染み付いているため、男性優位を意識する男性に多く見られる傾向だと思われてきた。

しかし昨今、韓国で起きた一連の事件で示されたのは、実は、家父長制における被害者、弱い立場に立たされてきた女性による反発も、無視できるようなものではなかったということだ。

弱者への配慮と権利を主張してきたフェミニストたちだが、自分たちよりももっと少数の、弱い立場に立たされているトランスジェンダーたちのために自分たちの空間や権利をほんの少し譲り、共有することに対しては、まだ心の準備ができていないようだ。