年収5000万円でイケメンの40歳、「ハゲ」というだけでマッチングできなかった

　都心までアクセスの良い首都圏某市に住む、池田慧さん(40歳・仮名)。「マッチングアプリに登録して数ヶ月経つが、10件程度のいいねが付くだけで1件もマッチングしない。年齢も原因の一つかもしれないが、他に問題があるようなら指摘してほしい」というのがゆいかさんへの相談内容だった。

　面談の場に現れたのは、藤木直人に似た正統派の美形男性。着ているスーツもセンスが良く、ひと目で経済的ゆとりがあると分かる。話しぶりも柔らかく、笑顔を常に絶やさない池田さんは好印象だった。さらに年収を聞くと5000万円とかなりの高額。自営業ということだが、一体どんなビジネスをしているのか。気になったゆいかさんが尋ねたところ、返ってきたのは予想外の答えだった。

　池田さんの職業は、なんと僧侶。代々続く実家の寺で、今は副住職を勤めているという。そう話しながらかぶっていた帽子を取った池田さんの頭は、きれいに剃髪されていた。

　学生時代からファッション雑誌を読み漁っていた池田さんは、パーソナルスタイリストを依頼するほどの洋服好き。職業柄、普段は作務衣ばかり着ているが、オフの日は好きな服を着てドライブを楽しむのが趣味だ。スマホのカメラロールには愛車であるドイツの高級車と並ぶ池田さんの姿があった。

　自営業とはいえ、僧侶は安定した職業。池田さんは40歳という年齢を気にしていたが、真剣交際や結婚を望むアプリではさほど珍しくない年代だ。一体何が女性を敬遠させていたのだろうか。

　「池田さんの場合、ファッションセンスの良さが裏目に出てしまったのかもしれません。おしゃれのつもりでかぶっていた帽子が、薄毛を隠しているかのように見えてしまったのです」

　池田さんのプロフィール写真は、ゆいかさんとの面談時と同様にスーツと帽子でビシッと決めたもの。仕事以外は基本的にこのスタイルなので、池田さんとしてはこれが「素の自分」。僧侶なので髪を剃るのは当たり前と考えており、頭部を隠す意図は全くなかった。

　「ただ、プロフィール上には僧侶と書いてはいませんでした。女性ウケを狙って『経営者』とだけ書いてしまったので、女性側は一見しただけではどんな職業かは推測できなかったのです」とゆいかさんは説明する。

　意図的ではないにせよ、髪型と職業を隠してしまったこと。これが池田さんがマッチングしなかった要因と考えられる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/99c6a0790d4e10dbdd472bbd481960e3aa04563d