【三重】県がクラスター対策班を新設へ　井村屋グループ３人感染で

新型コロナウイルスの感染拡大で政府が緊急事態宣言の対象を全都道府県に広げた十六日、県内でも患者判明が相次ぎ、初めての死亡が確認された。県内での感染確認は六人増えて二十六人に。大型連休を控え、県はさらなる広がりに危機感を強めている。

　四日市市によると、市内の五十代の男性会社員は、七日に三七・五度の発熱があり、十五日に容体が急変しているのを家族が発見。駆けつけた救急隊員が心肺停止を確認した。死亡を確認した警察医の指示で検体を採取し、十六日に遺伝子検査で陽性が判明した。

　このほかの新たな感染者のうち二人は、九日に陽性が判明した井村屋グループ（津市）勤務の五十代男性と同じ職場だった。同グループ内での感染確認は計三人になり、県は集団感染の恐れがあるとして、グループ内の接触者らを集中的に調べるクラスター（感染者の集団）対策班を十七日にも新設する。一方、津市は感染者の家族が利用していたとして、市児童発達支援センターを当面、休館とした。

　志摩市の八十代男性も九日に感染が分かった五十代男性の義父に当たり、三月三十日に東京都から帰省していた孫と接触があった。県によると、この孫に現在症状はなく、都は検査をしていない。

　松阪市内の保育園に勤める五十代の女性事務員の感染も新たに判明。この保育園は十七日から休園する。桑名市のホテル花水木内の「舟寿司」に勤める五十代男性調理師も遺伝子検査で陽性が判明したが、発症前から店は休業していたという。

　また、県はこの日、十五日に女性歯科医師の感染が判明した桑名市長島町又木の「ハート歯科」について、通院者ら計三十一人の濃厚接触者を特定したと明らかにした。鈴木英敬知事は「人の動きが活発になる大型連休を控え、非常に強い危機感を持っている」と話し、十七日に国の緊急事態宣言の対象拡大を受けて県の対策本部を開く考えを示した。

2020年4月17日
https://www.chunichi.co.jp/article/mie/20200417/CK2020041702000036.html