シリア反体制派のリーダー、光のイスラム聖戦士だった。物腰柔らかく「あなたのイスラム信仰を現実の世界に押し付けてはならない」が口癖

この反体制派の主力となっているのが、「ハヤト・タハリール・シャム（HTS）」と呼ばれる組織だ。

米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、HTSは内戦初期に「ヌスラ戦線」として勃興し、当初はIS（いわゆる「イスラム国」）やアルカイダとつながりを持っていた。だが2016年半ばには、そうしたイスラム過激派としてのルーツを断ち切るべく、他の派閥らと手を組んでHTSを設立した。

ただし、米国をはじめとする西側諸国は現在もHTSをテロ組織とみなしている。

サウジ生まれ、中流家庭で育った42歳

HTSの指導者は、42歳のアブ・モハメド・アル・ジャウラニだ。

英紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、ジャウラニは1982年にサウジアラビアで生まれ、７歳まで同国で育ち、その後シリアに移住した。17～18歳の頃に起きた第二次インティファーダをきっかけに過激化。一時はアルカイダのためにイラクなどで戦うが、のちにアルカイダと決別した。

中流家庭で育ったジョウラニは良い教育を受け、洗練された口調で、物腰も柔らかい。彼はよくこう言う。「現実の世界があなたのイスラム信仰を導くべきであり、あなたのイスラム信仰を現実の世界に押し付けてはならない」

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