【高知】奈半利町贈収賄事件、町職員らを起訴・再逮捕　「常識的にありえない高値で肉を販売し、精肉店の利益と賄賂の分を確保していた」

高知県奈半利町のふるさと納税をめぐる贈収賄事件で、高知地方検察庁は、6000万円をこえる賄賂を贈り受け取ったとして元課長補佐と親族の、合わせて5人を起訴しました。また高知県警は、さらに650万円の賄賂を受け取った疑いで、元課長補佐と両親を再逮捕しました。

起訴されたのは、奈半利町地方創生課の元課長補佐・柏木雄太被告、両親の正雄被告と美津江被告、おじ夫婦の能勢澄男被告と弘美被告の合わせて5人です。起訴内容によりますと5人は共謀。雄太被告と両親はおととし6月から去年10月にかけて、ふるさと納税の返礼品業者、3社に対し、能勢被告が経営していた精肉店に仕入れや加工、梱包、発送作業を発注するよう指示をして、精肉店に継続的に利益をあげさせた見返りに、合わせておよそ6100万円の賄賂を受け取った収賄の罪に。能勢夫婦は賄賂を贈った罪に問われています。雄太被告の兄も逮捕されていましたが、処分保留となりました。高知地検は5人の認否を明らかにしていません。

一連の事件は、ふるさと納税の業務を一手に引き受けていた雄太被告が主導したと見られています。県警へのこれまでの取材によると、賄賂は、父の正雄被告が管理する兄名義の口座に振り込まれ、親族間に分配されていたということです。雄太被告は現金で受け取っていた可能性があり、親族間で事件の発覚を免れようとしていたと見られています。金銭の引き出しや口座の取引には、母の美津江被告、おばの能勢弘美被告も関わっていたということです。

能勢精肉店が取り引きした返礼品の中には、両親や兄らが梱包作業に関わっていた時期もあったといいます。ただ、今回起訴されたおよそ6100万円は、いずれも、こうした作業実態がない取引の利益から贈られた賄賂で、「作業の報酬」にはあたらず、県警は「常識的にありえない高値で肉を販売し、精肉店の利益と賄賂の分を確保していた」と捉えています。

そしてきょう県警は、雄太容疑者と父の正雄容疑者、母の美津江容疑者をさらに別の収賄容疑で再逮捕しました。県警によると3人は2016年3月からの一年間、起訴された事件と同様、豚肉の返礼品をめぐり、能勢被告に継続的な利益を上げさせた見返りにおよそ650万円の賄賂を受け取った疑いがもたれています。兄名義の口座は使われておらず、手渡しと見られています。また、能勢夫婦に関しては、贈賄容疑の時効が成立しているということです。県警が立件した、精肉店をめぐる親族間の贈収賄事件の賄賂の額は、およそ6800万円に上ることになります。

6/15(月) 19:23配信
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