大型ダンプで上司を轢き殺した男性(62)が殺人罪で起訴される。福岡

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【詳しく】検察「退職させられると思い激怒」大型ダンプカーで上司をひき56す　弁護側「パワハラと思い悩んでいた」福岡地裁

去年10月、北九州市の採石場で、上司の男性を大型ダンプカーでひき殺したとして殺人などの罪で起訴された男は、2日の初公判で起訴内容を認めました。

福岡県築上町の無職、高橋博行被告（62）は去年10月4日午後2時半ごろ、北九州市小倉南区新道寺の採石場で、70トンの大型ダンプカーを運転し、上司の山崎雄二さん（当時51）をひき殺したほか、別の同僚男性2人もひき殺そうとしたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われています。

2日の初公判で、高橋被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察側は冒頭陳述で「同僚とトラブルになったあと、上司からダンプカーを降りるように言われ、退職させられると思い激怒し、犯行に及んだ」と指摘しました。

一方、弁護側は「上司の日頃の口調の激しさをパワハラと悩み、労働局や社長に相談していた」などと主張し、情状酌量を求めました。

判決は12日に言い渡される予定です。

長年ショベルカーを担当→大型ダンプ担当に

検察の冒頭陳述の内容は次の通りです。

殺害された上司の男性は責任感が強く実直な人柄で、取り扱う業務の危険性や班長としての立場上、部下に厳しく注意することはありましたが、ほかの従業員からの不満は特になかったといいます。

胸と腹を圧迫されたことによる多発外傷で即死でした。

殺人未遂の被害者となった2人のうち1人はショベルカーの担当で、1人は元請けの現場監督でした。高橋被告は、公道を走れない70トンの大型ダンプの担当で、石灰石を運搬していました。

高橋被告は2019年に入社し、長年、ショベルカーを操縦して採石作業に従事してきました。去年8月ごろに肩の痛みを訴え、これに会社が配慮して、大型ダンプによる運搬業務へと配置換えをしたということです。その後、高橋被告がダンプを脱輪させるトラブルを起こし、業務内容の変更を促されましたが、仕事を続けたい旨を直訴したといいます。

無線で同僚を罵倒

その翌月、高橋被告は上司からパワハラを受けていることや、同僚のショベルカーの運転が荒いと労働局に相談しました。

そして事件が起きた去年10月、高橋被告が作業中に、ダンプの荷台に石を積み込むのが乱暴だとして同僚を無線で罵倒しました。高橋被告が採石場を離れ、荷台に積んだ石灰石を集積場に運びに行っている間に、無線で罵倒する様子を聞いた上司が心配して、やってきました。高橋被告が戻ってきたところ、上司にダンプから降りるよう無線で促され、自分が怒られ退職を迫られると考え激怒したと検察は指摘しました。

たった5年で「長年」扱いなのか