福島の被災地に送ったマスク50万枚が消えた！寄贈者の怒り

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20/04/19 09:01

豊島区役所がマスクを配布した先は？

　さて、ここからは今の話である。濱中社長はその感謝状を見せながら、怒りを隠さないのだ。

「私はマスクを大震災の被災者に送ってほしいと豊島区役所に送ったのです。でも９年も経った今頃になって、“あのマスクはどうなってます”などと聞かれると、どうも、私が送ったマスクは、当時、被災地に届いていないのかと疑ってしまう。被災地に送らずに、区役所の倉庫に眠っているのか。それなら、それでもいい。いま新型コロナ騒ぎでマスク不足だから、医療機関に渡してくれてもいいのです。私が怒りを覚えるのは、役所ですから、マスクはこのように使いましたと寄贈した私に説明があってもいいのに、区役所から一本の電話もかかってこないし、連絡もないことなのです」

　豊島区は、濱中社長への連絡は怠ったが、福島には確かに届けていた？

　いや、そうではなかったのだ。東日本大震災が起こった直後、豊島区役所が発行している「広報としま」（2011年４月）を調べてみた。「東北地方太平洋沖地震対応、義援金の受付」と書かれ、「４月14日現在、義援金は、団体企業109件、19574513円」と紹介されていた。さらに、「４月15日、救援物資は３月27日、東京都を経由して被災地に搬送しました。子供用おむつ333枚、使い捨てカイロ200個、大人用おむつ4119枚。総務課総務係」。

　ここにはマスク50万枚の文字は見当たらない。

　マスク50万枚といえば、豊島区人口に照らせば、１人に２枚配布できる計算である。一体どこに消えたのか？

　しかし、問い合わせに対する区役所側の返答はビックリ仰天ものだった。

＜４月８日にいただきましたお問い合わせの件について以下のとおり回答いたします。

　平成23年３月17日に、㈱ソルダークリエイトの濱中昭一様より、「豊島区の感染症対策」を寄付の目的として、サージカルマスク500000枚（50枚入り10000箱）を頂戴しております。

　寄付いただきましたマスクですが、寄付の目的が豊島区の感染症対策でしたので、肺炎等の感染症に罹患すると重篤になりやすい妊婦のために活用させていただくこととし、妊娠届を提出した方に対し、母子健康手帳とともに一人一箱ずつ配付いたしました。妊娠届は年間2500件ほど提出され、大半の方が喜んで持ち帰られましたので、おおむね５年ほどですべて配付が終了いたしました＞

　文末に「池袋保健所・健康推進課長」の名前があった。

■行政は機能しているのか

　福島の被災地へ送ったつもりが、区内の妊婦に配られた？

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