学p教育ってすごい！早稲田大学の卒論「ディズニー映画にみる人種差別・女性差別」がすごいクオリティで驚いた

高卒の俺は感動した
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http://www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/1505natsumi_toki.pdf

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人間は実際に経験した出来事だけを吸収し、学んでいるのではない。
私たちは、小説や 映画などフィクションの世界を通して様々な出来事を経験し、多様な知識を得ることがで きる。
しかし、小説や映画の世界は必ずしも物事を正確に伝えてくれるとは限らない上に、 私たちに偏った価値観やステレオタイプを植え付けてしまうという危険性を有している。
例えば、世界中の子どもたちに今でも愛されている『ピーターパン』(1953)では、ウェン ディを女性であることを理由にのけ者にするなど、当時の女性観が反映された描写がなさ れている。
このような偏った価値観を伴った映画を見ることは、子どもたちに偏った価値 観や差別観を植え付ける危険性があるように思われる。
また、ディズニー長編アニメーシ ョンの歴史は 80 年近くにもなり、第二次世界大戦以前から現在に至るまで多くの作品を 発表し続けている。
そのブランド力はすさまじく、今でも作品の年代を問わず、ディズニ ー作品は世界中の子どもたちに視聴されている。
ディズニーという名前だけで子どもにデ ィズニー作品を見せる親も多いと考えられる。しかし、それは映画の中に適切でない描写 が含まれている可能性がある以上危険ではないだろうか。
私は、このような危険性につい て興味を持ち、ディズニー映画の中に表れる差別意識を観察していくとともに、その作品 を子どもたちが見ることの危険性と差別的表現との向き合い方を考えていきたいと考える ようになった。
本論文で、ディズニー映画に見られる差別的表現や価値観を読み解き、差別的表現との 向き合い方を論じるにあたり、研究対象は人種差別と女性差別に限定することとする。
こ の二つの差別が、アメリカでは、最も身近なものだと考えられ、映画にも表れやすいので はないか、と考えたためである。
はじめに、一章ではディズニー映画から差別的表現を読 み解く足がかりとするため、人種差別と女性差別の歴史と変遷を読み解く。
二章では、デ ィズニー映画の歴史を考察した上で、時代ごとにディズニー映画から差別的表現を読み取 っていく。これは、ディズニー映画に実際どの程度当時の差別観が反映されているのかを 考察するためである。
続く第三章では映画に含まれる差別的表現に対してどのように向き

本論文では、アメリカの人種差別と女性差別の歴史を明らかにし、
それがディズニー映 画にどのような形でどの程度表れているのかを考察した上で、
ディズニー映画に含まれる 差別的な表現と子どもを持つ親がどのように向き合っていくべきかを考えてきた。
その結 果、ディズニー映画という児童が見る作品にも差別的な描写が含まれていることや、
ディ ズニー映画は当時の世相や批判をうけた保守的な作品作りをおこなっていることが分かっ た。
また、そのようなディズニー映画の差別的表現と向き合っていくにあたり大切なのは、 「言葉狩り」などの規制をおこなうことではなく、
ディズニー映画など世間的に評価を受 けている映画が必ずしも何の問題もない素晴らしい映画だとは限らないということを親が 認識し、
幅広い様々な価値観を持った映画を子どもに見せること、との結論に至った。
そ のためには、差別を一人ひとりがより身近なものとして認識することが必要であり、正確 な知識を得ることもまた同様に大切だといえる。
ただ、残された課題として、ディズニー 映画には差別的な表現が含まれていることを認識し子供に見せるときは十分注意する、
と いった月並みな結論に終わってしまったことや実効性に乏しい解決策しか提示できなかっ たことがある。今後、私自身、差別は身近な場所に潜んでいることや、

映画などの文化的事象には問題のある描写が含まれていることに今以上に注意を向けるとともに、差別的表 現と向き合う方法について、より多くの人に考えてもらう方法を思案していきたいと考え ている。