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休業者、２００万人割る　コロナ前の水準に回復

総務省が３０日発表した９月の雇用統計で、職場から仕事を休まされた休業者は１９７万人で、新型コロナ危機後で初めて２００万人を下回った。一時は６００万人近くに上ったが、ほぼコロナ前の水準に戻った。

　９月の統計はわずかな悪化にとどまったが、職場に戻った働き手のリストラも相次いでおり、引き続き雇用悪化が懸念されている。

　休業者は昨冬は１９０万人前後だったが、新型コロナの影響で３月に２００万人を超え、４月には過去最多の５９７万人に急増。その後、経済活動の再開に伴い減少した。総務省の分析では、急増した休業者のうち、失業したのは２～４％程度。政府が、企業の雇用維持を支援する雇用調整助成金を拡充した効果もあり、多くは職場に戻ったとみられるという。

　同省が３０日に発表した９月の完全失業率（季節調整値）は、前月と同じ３・０％だった。ただ、パートや契約社員など非正規の働き手は前年同月より１２３万人減っており、非正規に占める割合が高い女性への打撃が大きくなっている。

　また厚生労働省が発表した９月の有効求人倍率（季節調整値）は、前月より０・０１ポイント低い１・０３倍で、９カ月連続で悪化。新規求人数は、前年同月比１７・３％減だった。なかでも、宿泊・飲食サービス業や生活関連サービス・娯楽業は３割超の減少が続く。ただ、建設業が同５・９％増だったほか、自動車関連部品製造は減少幅が大きく改善するなど、持ち直しの動きもみられる。

　大和総研の田村統久研究員は「失業率は、年末にかけて３％台半ば程度まで悪化するものの、年末ごろを境に徐々に改善へ向かう」とみる。ただ、「感染再拡大の懸念から、雇用回復は緩やかなペースにとどまるだろう」と指摘する。