賛否分かれる「赤ちゃんポスト」に僕が賛成する理由／ひろゆき

12/24(木) 18:46
週刊SPA!

賛否分かれる「赤ちゃんポスト」に僕が賛成する理由／ひろゆき
※写真はイメージです
―［ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」］―
賛否分かれる「赤ちゃんポスト」。僕の考えはというと……

　熊本の慈恵病院がやっているプロジェクトに「こうのとりのゆりかご」というのがあります。この名称を聞いてもわからない人もいるかと思いますが、通称「赤ちゃんポスト」と呼ばれていると書いたらわかる人も多いですよね。

　赤ちゃんポストは、親が赤ちゃんを連れて病院へ行き、設置されているベッドに赤ちゃんを横たえてから扉を閉めると外からは扉が開かなくなり、その後病院のスタッフが駆けつけて赤ちゃんを保護、診察を行うというものです。慈恵病院には通報義務があるので、保護した後に警察と児童相談所に連絡をすると警察官がやってきて状況を確認、その赤ちゃんは児童相談所の保護下に置かれることになります。

　そんな「子供を手放す」ための赤ちゃんポスト設置に対し、「児童を安易に手放す傾向を助長する」とか「児童相談所に負担がかかる」などと理由をつけて非難する人もいます。

　でも、「赤ちゃんポストは非難されるだけのものなのか？」と聞かれたら、一概にはそうとは言えないのではないかと。むしろ、僕は赤ちゃんポストに賛成派だったりするのですね。
産む役割と育てる役割

　こんなことを書くと「自分勝手に産んで育児放棄をする親を擁護するのか!?」とか言われそうですけど、昨今は少子化ですし産む役割と育てる役割が分かれていてもいいと思っていたりするのですね。

　もちろん、育てる気がないなら、考えも避妊もなしに子供を産むのは良くないと思います。が、本人が子供を欲しがっていて育児放棄をする気がなかったとしても、実際に子供を産んで、育てているうちに大変な状況になってしまうパターンも考えられるわけです。その大変さも子供の性格によって違ったりもするので、実際に親になってみないとわからない部分もあると思うのですよ。
無責任な行動をする人も親になる

　社会が子育ての努力を親に強要したとしても親だって人間です。世の中には大人だろうと子供だろうと努力をしたくない人が大勢います。なかには横領をしたり他人に暴力を振るったりと無責任な行動をする人もいますが、そういう人も普通に親になるわけです。そういう子育ての努力をしたくない人をなんとかしようと思っても難しいです。もし努力をしたくない人が社会にいることが許容できないのであれば、センター試験で一定の点数が取れなければ死刑とかにしないと実現できないと思いますし。

　とはいえ、親が育児への努力を放棄し、放置されてしまったら、子供は生きていけないので、それなら児童保護施設に預けるほうがよっぽど子供のためになるわけです。

子供の数は減っているのに虐待の数は増えている

　日本には親元から子供が離れることで「親の愛情を受けられないので可哀想」とか、施設に入っていること自体を気の毒と考える風潮もあって、そういう施設に対するネガティブなイメージが児童を安易に手放せずに、虐待やネグレクトに繋がっているんじゃないかとも思うのです。

　厚生労働省の発表によると、全国の児童相談所が’19年度に対応した18歳未満への虐待件数は速報値で過去最多の19万3780件と前年比21.2％増。虐待の件数としては過去最多でした。

　一方で、子供の人数は……というと、ご存じの通り少子化が進んでいて、’20年の総務省統計局の調査だと15歳未満人口は1512万人と前年比で20万人減。要するに、子供の数は減っているのに虐待の数は増えているという、酷い状態に日本はなっているのです。

―［ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」］―

【ひろゆき】
西村博之（にしむらひろゆき）’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねる・ニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA！誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』（SBクリエイティブ）など

https://news.yahoo.co.jp/articles/a05c2b7dc191e334d8d4be37c785317df7478a30

この件を語るなら、タラコの家の前に子供が捨てられてて、その子を自分が責任もって育てなきゃいけないという前提で考えないとダメだよ