男性「３１１の津波で、ヒキこもりの弟が死にました・・・　避難所には行きたくないと弟が言ったので・・・・」

震災で引きこもりの弟を失った男性、今も葛藤消えず

岩手県陸前高田市の団体職員、佐々木陽一さん（39）は弟の仁也さん（当時28）を東日本大震災で亡くした。

10年近く自宅に引きこもり、地震後も避難せず家ごと津波に流された。
「どうすれば助けることができたか、9年たっても分からない」。震災から9年2カ月たったが、陽一さんの葛藤は今も消えない。

東日本大震災で引きこもりだった弟仁也さんを亡くした佐々木陽一さん（７日、岩手県陸前高田市）＝共同

2011年3月の震災発生時、仕事が休みの陽一さんは母みき子さん、仁也さんと市内の自宅にいた。
すぐに避難すべきだと思ったが、弟は「外に出たくない」と自室に戻った。

陽一さんは仁也さんを無理に連れ出さなかった。自宅ごと流されると思わなかった上、他人を恐れる弟が多くの人が集まる避難所に行くのは無理だと感じた。
陽一さんは避難中、津波に巻き込まれたものの助かったが、みき子さんは流され亡くなった。57歳だった。

2歳年の離れた仁也さんは繊細な性格だったこともあり、中学での転校をきっかけに引きこもりに。
高校には通ったが、卒業後再び自宅から出なくなった。たまにする会話の節々から「状況を変えたいともがいている様子を感じた」と振り返る。
父の善仁さん（70）は震災時、小学校の校長だった。

仕事一筋で家族に十分に向き合ってくれなかったが、震災後、引きこもりや家族を支えるNPO法人の支部代表になった。父の変化を好ましく思う。

「弟は甘えていたのではない。どうしても外に出られない人もいる」。心境は複雑だ。
「説得していて家族全員が逃げ遅れる恐れもある。非常時にどう動くべきか、答えは出ない」と話した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59025610T10C20A5CE0000/

ケンモメンも同じ立場なら同じ選択肢を選んだ奴多そう