国際水泳連盟、MtFは女性大会に参加させないと決定。隔離用のカテゴリ「オープン」を新設

国際水泳連盟は、水泳の国際大会において、女子の部で出場できるトランスジェンダー女性の条件をとても厳しく制限した。この決定について、アスリートや関係者の意見は真っ二つに分かれている。

また、国際大会に関する今回の決定が、レクリエーションレベルのスポーツのレギュレーションにも影響するのではないかという懸念もみられる。アスリートの権利とフェアプレーの間で揺れ動く関係者たちの様子を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じた。

国際水泳連盟（FINA）は2022年6月19日、トランスジェンダー女性をトップレベルの国際大会から事実上締め出した。このことは、アメリカ各州の議会を揺るがし、保護者やあらゆるレベルのアスリートやコーチを二分している、ジェンダーとスポーツについての議論を激化させている。

水泳の国際大会の運営組織であるFINAの投票で決まったのは、思春期の初期段階に入る前、ないしは12歳までの、いずれか遅いほうの時期までにテストステロンの生成を抑える医療措置を始めていなければ、トランスジェンダー女性は競技に参加できないということだ。

スポーツの国際大会におけるトランスジェンダーの参加を最大級に厳しく制限するルールを打ち立てたことになる。トランスジェンダー女性は、思春期が始まると、生まれたときから女性だったアスリートよりも永続的かつ不可逆的な身体的優位を得る──そのように科学者たちは考えているのだ。

また、水泳の世界選手権においては、女性であると自認しているが、出生時から女性であった人と競争するための条件を満たしていない選手のための「オープン」というカテゴリーが新たに設けられることになった。

2021年11月に設立された、アスリート、科学者、医療と法律の専門家からなるワーキンググループによって考案されたこの方針の採択に、FINAに加盟している組織の7割以上が賛成票を投じた。これは、ブダペストで開催される世界水泳選手権の開幕からわずか数日後の6月20日から施行される。

連盟のフセイン・ムサラム会長は、「私たちは、競技に参加する選手の権利を守らなければならないが、同時に、私たちの大会、特にFINA大会の女子カテゴリーにおける競技の公平性も守らなければならない」と声明で述べている。

https://courrier.jp/cj/292080/

スポーツの連盟は、科学とフェアプレーのバランスをとれるような方針を模索してきたが、スポーツのあらゆる階層にいる人たちの怒りを買うことは避けられないだろう。

ジェンダーとスポーツについて幅広く執筆し、国際オリンピック委員会を含むいくつかの国際スポーツ連盟に助言をしている医学物理学者のジョアンナ・ハーパーは、「FINAがこのような規則を定めたのは大変残念です」と述べる。「トランスジェンダー女性は女性のスポーツを乗っ取っていませんし、これからもそうなることはありません」

ハーバード・ロースクールの講師でトランスジェンダー問題の専門家であるアレハンドラ・カラバーヨは、FINAのルールはほかの競技団体にとって、同様の制限を設け、選手に10年間以上にわたる人権侵害的な医療記録と血液検査結果の提出を義務づけるための青信号と受け取られてしまうだろうと述べている。

「これは、ありもしない問題をどうにかしようという、きわめて差別的な方針です。リア・トーマスの台頭によって引き起こされたモラル・パニックの結果です」

この規則に不服のアスリートは、世界最高位のスポーツ裁判所であるスポーツ仲裁裁判所（スイス）に訴えることが可能だ。

だが同裁判所は過去に、国際的なスポーツ連盟がテストステロン値に基づいてアスリートのカテゴリー分けをするというルールを定める権利を支持したことがある。2019年には、男性器と女性器の両方をもって生まれた選手はテストステロン値を抑える薬を服用しなければ競技に参加できないと定めた、世界陸連の規定を支持した。

やっぱ女は駄目だｗ