政府・与党、消費税のインボイス負担軽減措置「8割控除」期限延長見送りへ。企業が同じ企業グループの外国法人から仕入れを行う際に悪用

＜独自＞インボイス負担軽減措置、期限延長見送りで調整　「8割控除」課税逃れに悪用も

消費税のインボイス（適格請求書）制度で事業者の負担を軽減する「8割控除」と呼ばれる特例措置について、政府・与党が期限の延長を見送る方向で調整していることが29日、分かった。小規模な免税事業者からの仕入れ額にかかる消費税分の8割を納税額から差し引ける措置で、期限は令和8年9月末。延長を求める声もあるが、課税逃れに悪用される事例が出ていることを踏まえて8年度税制改正で検討する。

5年に始まったインボイス制度は、事業者間取引で商品やサービスにかかる消費税の税率や納税額を証明する請求書を発行する仕組み。売り手が仕入れの際に支払った税額を差し引き、差額分を納税する「仕入れ税額控除」を利用するには、仕入れ先からインボイスを受け取る必要がある。

売上高が1000万円以下で、課税事業者に登録していない免税事業者はインボイスを発行できず、8割控除は本来、こうした事業者が取引から排除されるのを防ぐための措置だ。ただ関係者によると、企業が同じ企業グループの免税事業者である外国法人から仕入れを行う際に適用している例があるという。
https://www.sankei.com/article/20251129-XAMP5TYMSJPZNJPNEN6RA2L7LM/