【訃報】チャック・イエーガー氏死去　97歳　映画ライトスタッフのモデル　米空軍のパイロット、初の超音速飛行を達成

米空軍の元准将で、テスト・パイロットだった1947年に人類初の超音速飛行を達成したチャック・イエーガー氏が7日に死去。再婚の相手だったビクトリア夫人がツイッターで明らかにしたもので97歳だった。

　イエーガー氏は第二次大戦で戦闘機のパイロットを務め、戦後はNACA（米航空諮問委員会＝NASAの前身）のテストパイロットとして従事。空軍大尉だった1947年10月14日、ベル社のXS―1（その後X―1に名称変更）による50回目のテスト飛行でマッハ1・06を記録し、超音速飛行を達成した初のパイロットとなった。その2日前には乗馬で肋骨を骨折したがそのまま搭乗したことでも有名。危険なテスト飛行に挑んだその姿は、その後の有人宇宙飛行計画への挑戦を描いた映画「ライトスタッフ（1983年）」のモデルとなり、俳優サム・シェパード（2017年に73歳で死去）がイエーガー氏の役を演じた。

　1947年11月26日にはマッハ1・36、1948年3月26日にはマッハ1・45を記録。ただし空軍側はこの事実を1948年6月まで正式には発表しなかった。

　AP通信によれば、イエーガー氏は1923年2月23日にウエストバージニア州チャールストン郊外にあるマイラという小さな町で生まれ、高校卒業後に陸軍の航空部隊に入隊。「この時期に生まれたのは幸運だった」とたちまち空で実力を発揮し、第二次大戦中には64回の出撃でドイツの戦闘機を13機撃墜した。一度、撃墜されてフランス領内でドイツ軍の捕虜になったものの脱走。フランスのパルチザンと協力して“地上”でも戦った経歴を持っている。ベトナム戦争でも従軍。ただし熱望した宇宙飛行士の夢はかなわず、本人は大学に行かなかったことが影響したと後悔していた。

2020年12月08日 15:57社会
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