「5万回斬られた男」時代劇俳優・福本清三さん(77)死去　映画「ラスト・サムライ」出演

　時代劇で“斬られ役”として活躍し『５万回斬られた男』とも呼ばれた俳優の福本清三さんが、１月１日に肺がんのため京都で亡くなりました。７７歳でした。

　福本清三さんは兵庫県出身で、日本映画全盛だった１９５８年の１５歳の時に東映京都撮影所に、専属の大部屋俳優として入りました。福本さんを有名にしたのが「斬られ役」の演技です。主役に斬られ派手に倒れる演技で注目を集め、約半世紀にわたって時代劇を中心に活躍。『５万回斬られた男』の異名をとりました。

　（福本清三さん　２００４年１月放送）
　「見てくれている人が１人でもいいから『あいつ光っているな』と思ってくれたら、それでいいなと。」

　２００３年にはハリウッド映画「ラスト・サムライ」で主役のトム・クルーズに影のように従う侍の役に抜擢され、寡黙な演技が世界を魅了しました。

　（福本清三さん　２００４年１月放送）
　「僕も定年でしょ。（役を）もらったときに、『俺もラスト・サムライだ』と、つくづく思ったんです。自分のことみたいに思ったし、４０何年間斬られ役やってきて、最後に神様が『おまえハリウッドに行ってこい』と褒美をくれたのかなと。そんな気持ちがあるんですよね。」

(リンク先にインタビュー動画あり)
https://www.mbs.jp/news/sp/kansainews/20210105/GE00036501.shtml

(画像引用元・映画ナタリー)

※2枚目の画像は手前で苦しんでいる侍が福本清三さんです

https://www.cinematoday.jp/news/N0093957?g_src=N0094009

真田広之“５万回斬られた男に斬られた男”だった 「私の誇り」福本清三さん悼む：中日スポーツ・東京中日スポーツ
https://www.chunichi.co.jp/article/180829

　俳優の真田広之（６０）が５日、肺がんのため１日に７７歳で亡くなった俳優の福本清三さんを追悼するコメントを発表した。

　真田は「たゆまぬ努力、卓越した技術、謙虚なお人柄、何一つかなわない素晴らしい方でした。１０代のころから何度も共演させていただき、たくさんのことを学ばせていただきました。デビュー当時、東映京都撮影所の予定表をチェックして、福本さんの殺陣があるセットをこっそり見に行って、刺激を頂いていました」と振り返った。

　共にトム・クルーズ主演の米映画「ラストサムライ」（２００３年）に出演。「『ラストサムライ』の撮影時には還暦を迎えられながら、変わらぬ存在感と心意気を世界に知らしめてくださいました」と称賛。「数多くの共演作品の中で福本さんと闘い、斬られたこともありました。今となっては、“５万回斬られた男に斬られた男”と言うのが、私の誇りです。清三さんの志を受け継ぎ、日本の伝統美を絶やさぬことが唯一、後輩にできる御恩返しかと思われます」と記した。

　最後に「清三さん、長い間本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでした！」と感謝した。